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 はてさて、ひとつ前の記事で思考と感情は対立機能であること(ついでにユングタイプ論の概略)を紹介させて頂いた。
 でもって、魔族は「LAW」の存在だという主張はこちら
 さてその辺を踏まえて(ふまえられてるのかわからんけど)、魔族とは? ってあたりを自分でも整理。

 まず大前提、魔族と言うのは「世界を滅ぼす為」だけに創られた存在。本人たちは多分それに矛盾なんて感じてない……私が勝手に「矛盾した存在意義」だと思ってるだけです。これは外的事象より各キャラクターの心理・精神構造や行動原理に異様にこだわってしまう私の癖です。なるべく客観的に書いてくよう努力はしますが、その辺は差っ引いて読んでください。


 で、まず明らかに人にも理解できる感情(敬愛を抱いていた相手から道具呼ばわりされて傷つく)をぶつけてきたのはシェーラ。彼女をもし覇王が「そういう扱いしたら傷つくように創ってやろう、そしてそんな扱いして腹心の感情すら味わっちゃう我ってば超魔族的カッコイイ」と言う意図のもと特別そう創られたのでなければ……いやなんか有り得る気がしてきたぞ……しかしこれを認めてしまうとすべてが崩壊する。いや私の見解なんか崩壊しても誰もダメージ受けないんだけど、話が終わってしまうので少なくとも「上司への敬愛」と「人にも理解できる繊細な感情(哀)」の存在は彼女が証明してくれたとしておきます。
 そこから過去作に登場した魔族の言動を思い出せば、なんとなく「みんなそれぞれ微妙に性格違ったなあ」「ここって時には結構喜怒と楽は出してたなあ」と思うのですが……すいませんここは全体に対し感覚で言ってますので論理的にどうこう、ここが明確な根拠、はぱっとでませんすいません。まあこんなとこ覗いてくださってる方は大体私と似た感覚を持っておいでかと。根拠はともかく具体的イメージを見せろとおっしゃる方は、考察でなく連作短編で申し訳ないですがDreaMにざっと目を通していただければ。全14話と話数的にちょっと多いですけど。すいません。最近謝るのが癖です。すいません。あとメタ的にみればキャラクターである以上個性(としての感情)があるのは当然です。すいません。

 さて魔族のサンプルとして一番わかりやすかろうと私が思っているのはフィブリゾなので、彼を基本に据えて語ることで魔族にアプローチしてみようと思います。ゼロスは狂言回しやトリックスターの側面が強いので。
 フィブリゾのことは私、外向的思考タイプだと思っています。フィブリゾに限らず、高位魔族は基本理詰めで動きますよね(例外は海王くらい?)。程度や出来の差でさすがと思う場合もあれば「なんでわざわざそんなしちめんどくさい手順」と思うものもありますが、邪魔されないよう気づかれないよう隠密行動、が原則なので理詰めになります。高位魔族は理知的な存在じゃないといけないんですね。人間とは多少ベクトルは違いますが、彼らは基本理性的な言動をし(少なくとも破壊本能←あるとするなら、に従った行動はとってない)、知性は高いです。
 そして魔族の主張する存在意義ですが……「生命体」としては矛盾なんですよね。霊的存在と言う方が近いのかな……部下の創造、は「自分の力を分けて」行うので繁殖には当たらない気がするし。
「滅ぼす為に創られた」と言うのは望まれて創造されたわけですが、愛されているわけではない。望まれるのと愛されるのはイコールではないので。

1. 滅びをインプットされているので世界と共存はできない
2. 理性も知性も感情(哀)も持っている
3. 自分だけではなく、世界もともに滅びなければならない

 ……この3連コンボ、なんか「世界(グレートマザーL様含む)から見捨てられた存在」だと感じてしまうの私だけですかね……。
 フィブリゾがL様に滅ぼされるとき取り乱して逃げ出そうとしたのは3. の理由だそうで、それ(ともに全滅)もインプットだと言われてしまえばそれまでなんですが、なんだかどうも、3. の真意って、彼らが他者(世界)を受け入れ、世界(グレートマザー)に受け入れられるには丸ごと滅びるしかなく、世界、グレートマザー、存在、と言う呪縛そのものから解放されるのはその瞬間だけ……という抑圧され無視されている、「滅びによる自らの救済」をどこかで望んでしまっているから、と言う気がするのですよ。どうしてと言われると困るのですけど。
 だから私は、フィブリゾ滅亡時の混乱は、「計画通りにいかなかった」のももちろんありますが、外向的思考タイプの持つ未熟な感情と母への忠誠心を認めてもらえなかったことが大きな要因だったと思ってます。

「滅び」はすべてを間違いのない秩序に再編させるための手段であり目的なので、魔族は混沌(カオス)ではなくロウ側の存在だというのが以前からの私の主張なのですが、ロウ、つまり秩序って思考を元に組み立てられるものですよね。感情論、好き嫌いで物を決めていたら秩序はそもそも構築できません。人間世界でも、「気持ちはわかるけど、法律でそうなってるから」という事例は枚挙に暇がないはず。だから彼らは本来、感情ではなく思考で動く。だから先ほども言いましたが理詰めの言動になる。思考と感情は合理的価値基準ゆえに対立するものなので、感情は普段切り離され未熟なまま放っておかれていて、その端的な象徴的言動をするのが私の中ではフィブリゾなんですけど……ゼロスはトリックスター&狂言回しであえて感情を抑制をきかせて出すことでミスリードを誘ったり事態をひっかきまわしたりしてますが、これは人間社会でやりとりするうち身に付けた(感情機能が発達した)処世術なのか、獣王がそのように創ったのか……両方だと思うんですけどうーん。シェーラは最初普通の女の子、って感じでしたが、それもゼロスと同じ感じかなあ、発達度合いに違いはあるけど。海王は外向的感覚タイプって感じがします。だから享楽的に見えるけど、実際は結構物事にとらわれてもいる。
 というか、そもそも存在意義からして、魔族はすごく縛られた存在なんですよ。隠した相手には本気を出せない、と言う以上に、彼らは彼らの「滅びという正義」のロジックから抜け出すことはできない。だから感情から来る他者への承認欲求からは目を逸らして自分を守るしかない。
自発的にその歪みから唯一抜け出せたのはガーヴですが、それも神の干渉があってのものですし。逃げ場がないんです。時間間隔が人間とはまったく一致しないのでわかりやすい焦燥はまださほどない、本人たちはないつもり……かと思いますが(客観的に見ると割と積んでる気もしますけど)。
未発達の劣等機能(彼らの場合は内向であれ外向であれ感情機能)と言うものは得てしてとんでもないところで暴走をはじめて、すべてをぶち壊しにしてしまうものです。ただ、うまく働いた場合には普段気づかない大切な何かを持ってきてくれる、非常にありがたいものでもあります。
 だからその彼らの、発達の程度の差こそあれみなそれなりに抑圧している感情機能に訴える何か、その瞬間、すべてを忘れることができる一瞬(すぐ滅びのロジックに戻らなければいけないとしても)を私は書いてみたい。それが同情じみた行き過ぎた感情移入や自己投影からくる自己満足であっても。

 まとまりなく終わる! 今はとりあえずこれ以上無理だ混乱してきた。

 タイプ分類だけ書いとくと、フィブリゾ=外向的思考タイプ、獣王=内向的感情タイプ、海王=外向的感覚タイプ(ちょっと外向的感情も発達気味)、覇王=外向的思考タイプだと思い込んでる外向的感覚タイプ、魔竜王=内向的思考タイプ+外向的直観タイプだと思ってます、とだけ余計なつけたし。参考リドミィファースト

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